「部長が助けてくれたんだ!茉莉奈ありがとう!」そう言って無邪気に笑う夫の顔を見ると、私は口が裂けても夫には打ち明けられないと思いました。抵抗する私を強引に抱いた後に吸う部長の煙草の煙が、日に日に身体の奥底に染みついていくのが怖かった。夫の優しい香りが分からなくなってしまうのが怖かった。嫌悪感が愛おしさに変わっていくのがとても怖かった。私が変っていく事を…私が変えられていく事を…アナタ気づいて…。